5年ぶりの1位となる保育士
小学生に将来なりたい職業を聞くと、たくさんの答えが返ってきます。
男子の場合は、サッカー選手や野球選手などのスポーツ系の職業が多い傾向にありますが、女子の場合は医師や看護師などの、直接人のために役立つ仕事を選ぶケースが多く見られます。
その中でも、女子のなりたい職業ナンバーワンに保育士が挙がったのは注目に値します。
保育士は常に人気の職業ではありますが、近年は他の職業になりたい職業1位の座を奪われていました。
しかし、今年になって再び保育士が1位になり、5年ぶりにトップの座に返り咲きました。
少子化が叫ばれている現代の日本社会においては、とても明るい見込みだと言えるでしょう。
小学生くらいのまだ小さな子どもは、社会的な地位や収入などのことをあまり考慮に入れずに、憧れという観点でなりたい職業を選ぶことが多いので、それだけ保育士が魅力的な仕事として映っているのは素晴らしいことです。
その夢を持ち続けて、たくさんの人が将来保育士になってくれたら社会的にも大きな助けとなります。
親の希望と異なる状況が見られる
このように、子どもたちの中では保育士という職業はとても魅力的に映っていますが、子どもを養育している親たちは異なる見方を持っていることが多いものです。
実際に、親が将来子どもに就いてほしいと思っている職業を尋ねると、1位の公務員を筆頭に、会社員や医師など、安定した仕事を得られるもの、社会的に地位が高く高収入が得られるものが多くなっています。
子どもに保育士となってほしいと思っている親の割合は少なめですので、子どもの希望と親の考えとの間にはかい離があります。
現実的に見ると、保育士の仕事は収入がそれほど高くないという現状がありますので、どうしても親としてはより安定した仕事に就いてもらいたいという気持ちが強くなります。
保育士の雇用状況を改善することで、より多くの人たちが実際に保育士への道を進むことになるでしょう。
小学生の夢を実現させるために
小学生の夢として保育士が一位に挙がっているというのは素晴らしいことですが、そこから年数が経って中高生となると、親の希望を反映するかのように、保育士になりたいという子どもの割合は減っていきます。
日本においてはよりたくさんの保育士が必要とされていますので、小学生の頃に抱いていた夢を失うことなく、実現できるように社会全体で応援することはとても大事です。
給料や職場環境の改善などと同時に、子どもが保育士の仕事に触れられる体験の機会を設けたり、親や教師などが社会的な地位や収入だけで仕事を判断するのではなく、やりがいがあり楽しめる仕事を選ぶことの大切さを教えることも重要です。