待遇を良くする独自の政策
保育士の人材不足は全国的に深刻な問題に発展しており、待機児童をゼロにしたいと考えている国としてはかなり焦りを感じているはずです。
想像していたよりも体力を使い、人間関係に悩みながら精神的にも疲れ果てる方が多く、離職者がたくさん存在しています。
離職する理由として多いのが待遇の悪さを強く感じたためという方が多いです。
こんなに過酷な仕事をしているのに、待遇があまり良くないため割に合わないと考えている方が多いです。
せっかく取得した資格だけど、他の職種に就いた方がましだと考えて転職を決意する人もいます。
国も保育士の待遇が良くないことを把握しており、何とか改善策はないものかと模索した結果、待遇を改善した保育所に対して平均で9千円の補助金を交付しています。
その結果わずかに待遇が改善したという方も多いでしょう。
東京都では、独自に国の補助金よりも上乗せした補助制度を実施することで保育士の給与UPを発表しています。
2015年度より、保育士の評価や昇給制度を導入した場合は保育士一人につき2万1千円の補助金を支給することになりました。
つまり、国の補助金と合わせると実質3万円の給与アップになると考えることができます。
参考:http://www.e-hoikushi.net/column/6/
東京都内では区ごとの取り組みも
更に東京23区内の自治体によっては、独自に保育士の待遇改善のために実施している取り組みがあります。
例えば千代田区では、私立保育所に対しての補助項目を複数新設していますが、その中で保育士の人材確保と処遇を改善するための対策を実施した場合に経費を補助する形で、保育士一人につき二万円を上限にして支援しています。
また世田谷区や大田区では借り上げ社宅の家賃分で8万2千円を上限として補助するようにしています。
このような取り組みを独自に実施することで、保育士が働きやすい環境を維持し、やりがいを持って仕事に従事してもらえるようになっています。
他の自治体にも広がっています
保育士の待遇改善を目的とした対策は、各自治体で積極的に行われています。
東京都のように給与アップで待遇改善を試みているのは名古屋市です。
名古屋市では臨時職員の保育士として働いている方の時給を100円アップしています。
他の職種よりも給与水準が高くなることで、潜在保育士に復職してもらえる環境を整えています。
保育所の慢性的な人材不足が解消されることによって、待機児童をゼロにする目標も掲げています。
また、福岡市でも給与アップの取り組みとして、保育士一人あたりに年間約10万円のボーナスを支給しました。
保育所を運営している事業者に対して保育士の待遇改善をするために必要なお金を補助することで効率良く待機児童を無くすことを目標にしています。